『ホームランド』シーズン1第3話 【罪なき者の声】 感想です。
庭のでっかい木に、経年劣化した薄黄色のリボンが結びつけられていたブロディ軍曹の家。
昭和生まれのわたしが思い出すのは『幸福の黄色いハンカチ』(1977年)っていう往年の邦画。
さすがに作品として知ってはいて内容もなんとなくは知っているけど、観たことはないので、ちょっと調べてみました。
・・・え、元々の設定、アメリカなの?
『ニューヨーク・タイムズ』(新聞)に掲載されたコラムニストのコラムが原案?
って、最近観た『モダン・ラブ』と(だいたいは)一緒ってことじゃん!
そして、アメリカで黄色のリボンを兵士の無事を祈るものとして使いだしたそもそもの由来は軍歌らしいということが判明した。
でも、確かにリボンよりハンカチの方が日本ぽいもんねー。
昔はタオルハンカチなんてなくて、ハンカチといえば風呂敷の小さい版みたいな感じだったから。
たくさん、風になびいていたらリボンより映えて綺麗だし、さすが山田洋次。
とは思ったけど、昭和の古い作品だし、ストーリーもだいぶ日本ぽい。
あらすじを読み込んだけど、チャラ男の鉄也(武田)も硬派な健(高倉)もめちゃくちゃ勝手でびっくりした~(笑)
”何をやっても最終的には許される男と、男のために耐え忍ぶ女”みたいな演歌みたいなストーリー。
罪状がやむにやまれぬ事情とかじゃなかったし・・。
ちなみに、最近観た山田洋次監督作品は『小さいおうち』です。
ところで、この黄色のリボン。
アメリカでは、愛する人が出兵した際の無事を祈る象徴と現在では落ち着いていますが、各国で意味合いは違うようです。
愛する人の無事の帰還を祈る・・みたいなエモーショナルなものもあれば、割と穏やかではないものも存在しています。
・日本:障がいのある人たちの社会参加の推進運動のシンボルマーク
・韓国:セウォル号沈没の際に、乗客の無事を祈るシンボルとして使われた
・スペイン:スペイン政府への抗議をあらわすシンボル
・オーストラリア:F1オーストラリアGPへの抗議団体が使用
そして、シンガポールのイエローリボンの使用法が一番『幸福の黄色いハンカチ』の意味に近く『前科のある人の社会復帰を支援する』意思表示として赤い羽根のように時期的に洋服にリボンをつけたりするらしいです。
国によって意味がバラバラで、非常に勉強になりました。
そして、たくさんの色のリボンの運動がありましたが、そろそろ読んでる方もお腹いっぱいだと思うので、今日のところは黄色だけでやめておきますね(笑)
しかし、昭和の名作と言われている『幸福の黄色いハンカチ』の原作(案)が『ニューヨーク・タイムズ』だったとは、かなり驚いたな・・。
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~あらすじ(ネタバレあり)~
Season1 Episode 3 "Clean Skin"
アラブの王子の愛人のリンは、キャリーからの指令だった王子の携帯のデータをこっそりダウンロードすることに成功する。
その後、リンは、王子から高価なダイヤモンドのネックレスをプレゼントされる。
王子の携帯電話のデータをキャリーに渡したリンだったが、王子の人柄をキャリーに告げ、彼はテロと無関係じゃないかと進言する。
王子の携帯電話のデータを手にしたキャリーはデータを解析するが目的の金銭授受に関するものは見つからなかった。
王子の夜遊びのためナイトクラブにほかの女性たちと繰り出したリンは、王子の側近に、”特別なゲストを接待するように”という王子からの伝言を受け取るが、不審に思ったリンは、身の危険をキャリーに知らせる。
元CIAでキャリーの仕事を助けているヴァージルと共に現場に直行するが、道端で撃たれているリンを発見する。
リンが身に着けていたダイヤのネックレスが紛失していたことから強盗の仕業だと地元警察は判断した。
そのネックレスは王子の側近が売りに出し40万ドルで契約が成立する。
一方、ブロディ軍曹は自宅で記者の取材を家族で受けることにした。
ブロディは準備に奔走するなか、妻のジェシカと娘のデイナの関係が悪いことに気づき、今までの不在を話し合い仲を取り持つ。
そして、若い夫婦が空港の近くにキャッシュで一戸建てを購入する。
第2話の感想はこちら
これだけ、海外ドラマ観ていると、なんとなくフラグの立っている人って勘づくもんですよね。
日本の2時間ドラマとかだと、この人この後は・・ってわかるもんだったけど、海外ドラマではけっこう突飛な展開多いから無理だなと思ってたけど、リンちゃん、わかってたけど早すぎない?
もうCIAが捨て駒にしてる時点でお察しだったけど、残酷だわ・・。
顔も良く、割と賢かったのに、キャリーの”大義名分”に踊らされたなぁ・・。
国家のためにー、国のためにーって、国は彼女を守ってもくれなかったじゃん。
生まれが田舎じゃなかったら、貧乏じゃなかったら、もっと違う人生が彼女を待っていたかと思うと非常に切ない案件ですね。
しかし、王子のネックレスは40万ドルで闇取引されているってことは、王子は倍ぐらいの価格で買ってるわけでしょう?
愛をお金で測るタイプの人だったら、そういうプレゼントもありなのかなー。
王子にとっての1億円が、わたしにとっての10万円ぐらいの価値観かもしれないしな。
キャリーは、リンちゃんを救えなかったから、その犠牲を無駄にしないでください。
ターゲットを見誤ってたから、リンちゃんの不審行動がバレたとも言えなくもないと思うので、せめてしっぽを掴んであげないと報われない。
そして、話が進むごとに深まるブロディの深い闇。
なんだろう、すごいもやもやするんだよね。
徐々に夫婦の関係がハイスクールからというのもわかってきたし。
ブロディが、元々は家族を大事にする普通のお父さんだったことは間違いなくて、軍に入ったのも家族を養うための経済的な理由からかもしれないし。
それが、この自体を引き起こしたのなら、悲劇すぎるので。
ジェシカはあんまり、8年間のことせっつかないほうがいいとも思うし、デイナは思春期だから仕方ないとは思うけど、大人のわたしから見ると怒りすぎなんだよな・・。
パパと別れたのが小3で弟より断然記憶があるし、パパのこと大好きだったんだと思うんだよ。
美人なお母さん、強くて優しいお父さん、小さな赤ちゃんの弟。
そこからの空白の8年間、寂しかっただろうなとは思う。
でも、お洒落もして、学校も行って、友達と悪さして、お母さんに悪態ついて、きちんと反抗期にもなって、何不自由なく育ってるように見える。
ジェシカが、子ども二人抱えて頑張ってたからでは・・と、どうしても思ってしまう。
『ウォーキング・デッド』観ていた人はわかると思うんですけど、主人公のリックの妻のローリが、今回のジェシカみたいに、リックの同僚であり親友であったシェーンを頼りにしているうちにそういう関係になるんですけど、生死不明(どちらかというと死寄り)の夫が居て不安になっているときに心の支えになってくれた人とそういう関係になっても責められないのではないかと思うのです。
なので、わたしそこからずっとリック嫌いだったなー(笑)
執拗にローリのこと責めたうえ、シェーンのことしまいにはやっちゃうっていうの、理屈じゃない男女関係を描きたかったのかもしれないけど、不貞とは言いきれない気がして、そこまでの貞節を相手に強いる権利があるのかどうか、逆の立場になるとどうしても言い切れない気がしてしまうからかもしれない。
ブロディ家にもこれから色々あるんだろうなー、ジェシカ、肝据えて頑張れ。
敵は40万ドルのネックレスで、空港近くの戸建てを買ったようですね。
夫婦のうち夫は中東系に見えたし、妻の方はなんか異様にやつれていて理由アリ感バリバリっていうわかりやすいフラグが立ってエピソードが終わったので、次のエピソードも楽しみです。
というわけで、それではまた。
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