『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン8(最終章)第5話『鐘』感想
です。
今回のエピソード、観終えた直後の感想を一言でいうと「観たくなかった」でした。
これ、英語バージョンの第5話のウィキペディアのリンク(ネタバレあり)です。
The Bells (Game of Thrones) - Wikipedia
英語が堪能な方はそのまま読んで頂いてもいいですし、グーグル翻訳にかけてもいいです。
わたしは英語が堪能じゃないので、グーグル翻訳にかけましたが、だいたいの書いていることは理解しました。
いつもは、あらすじだけ参考にしていて、評価などはブログの感想に影響してしまうので読まないようにしているのですが、今回だけは納得できない部分が多すぎて、最後まで読んでしまいました。
要約すると、
批評家の評価は、10点中6.33。
"the worst Game of Thrones episode ever"
(史上最も最低なゲーム・オブ・スローンズのエピソード)
作り手の思惑と視聴者の思いにかなりの剥離があって、このエピソードの放映後にファンからHBOへの抗議行動と署名運動があり「視聴者は、10年以上ゲースロを作ってきた制作のストーリーにガタガタ言うんじゃねぇ」というやり取りがあったということがウィキペディアに書かれてありました。
まぁ、そうだよね。
そりゃ、そうだよ・・。
今年は、『アベンジャーズ』で痛いほどそれを思い知らされたから知ってた。
観る側は、作り手が作ったものをまるっと受け止めるしかないし、悶々としたところで結果が変わるわけでもない。
好きなのは、こっちの勝手な都合だからね。
でも、せっかくだからシーズン1からずっとデナーリスを推してきたものとして、腹が立つを通り越して、最後がこれ?ってすごく悲しくて泣きたいので思いを綴らせてください。
第4話の感想はこちら
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~あらすじ(ネタバレあり)~
シーズン8(最終章)第5話『The Bells 』
サーセイがミッサンデイを処刑したあと、デナーリスは食べ物をすべて拒否し、引きこもる。デナーリスはティリオンに、何故ジョンの出生を「自分に言う前にヴァリスに話したのか」と叱責。ティリオンは自分の失策だったとデナーリスに謝るが、ヴァリスは、ジョンを鉄の玉座に引き揚げるべく行動を始めていた。
ジョンがデナーリスのところに到着し、ジョンに口止めしていたことがジョン本人からスターク家に漏れ、それがティリオンに伝わり情報が広まったことを確認すると、デナーリスはヴァリスを処刑する。ジョンは「自分は玉座は望んでいない。自分はデナーリスに忠誠を誓う」と宣言するが、キスを拒否されたことでジョンの自分への気持ちが変わったことを知る。
サーセイのところに向かうジェイミーが捕虜になっているとデナーリスから告げられたティリオンは、サーセイを連れて街を出て人生をやり直すようにと彼を逃がす。
無血開城を臨んでいたティリオンだったが、それはサーセイがミッサンディを処刑したことにより叶わないことと知ったが、なるべく未来の王への畏怖が生まれることと罪のない命が失われることを避けるため「降伏のか鐘がなったら攻撃をやめるように」と、ジョンやグレイワームに何度も告げ、デナーリスにも確認する。
そして、戦いの火ぶたが切って落とされ、ドスラク軍やドラゴンの炎によってサーセイの軍と街は瞬く間に崩壊していく。
その頃、アリアとハウンドは王都に到着し、開戦の混乱に巻き込まれる。
ハウンドは緊急性を感じアリアを逃がすが、自分は兄との決着をつけるため城の内部へ向かう。
ジェイミーは、サーセイのところに向かう途中、ドラゴンの攻撃を回避していたユーロンに殺されそうになり街に向かうのが遅れ、門からはじき出されてしまう。
せめて、降伏の鐘を鳴らそうと搭に上り、鐘を鳴らすが、街に響き渡る鐘の音色が更なる悲劇を生んでしまう。
遅い・・。遅すぎる。
ウィキペディアを読んだから、制作の意図するところはだいたいわかった。
デナーリスが今まで頑張ったことの蓄積が無になったことを知って自暴自棄になり、彼女の中の蓋をしていた狂気が顔を出し、悪役として変貌させたかったこと。
でも、あと残り1話しかないじゃん。
今更過ぎない?
今までは、ミッサンデイとかジョラーの言うことをきいて理由なく弱いものを惨殺するようなことはしてなかったと思うんだよ。
偶然、戦いに巻き込まれてしまった人々とかは居たかもしれないけど、そういうのはやりたくても我慢してたということはわかっていた。
鉄の玉座をターガリエン家に取り戻し、自分が思い描く七王国を築く王となるため。
上に立つものとしての誇りを守るためと信念のため。
そういう、等身大の姿を応援してたんだよ。
最初から高潔な女王だったら、推してなかった。
全然関係ない(こともない)んですけど、わたし今【Netflix】の『13の理由』というドラマの最終話を残した状態で、現在ゲースロを観ていまして。
この『13の理由』というドラマは、自分が死を決断する原因となった人や出来事をテープに吹き込んで、自死の原因となった人たちが聞くようにして画策して自殺していったアメリカの女子高校生のドラマですが、一個一個の”理由”には大小さまざまなものがあり、他人からみたら(そこまで思いつめるほどでは・・)というものもありますが、色々なことが蓄積して爆発してっていう展開で、わたしも、こう見えて(?)内にストレスをためるタイプなので、わかる・・って感じなのですが、今回のデナーリスもそういう展開にしたかったんだと思うけど、もうちょっと早い段階でやれなかったかな・・っていう。
強引に『13の理由』にこじつけるとすれば、
①ジェイミーに父親が殺されて、バラシオンが戦争に勝利しターガリエン家が没落した。
②言葉の通じないドロゴと結婚させられた。
③色々頑張ったが、ドロゴが死んだ。
④側近のジョラーがスパイだった。
⑤自分の軍を形成して、王都に向かう途中ジョンに同盟を持ちかけられた。
⑥同盟に協力する約束をして、ドラゴンの1人目が死んだ。
⑦愛を交わしたと思ったジョンがターガリエンの正式な王位継承者だった。
⑧ホワイトウォーカーとの戦いの中でジョラーが死んだ。
⑨王都に向かう途中にドラゴンの2人目が死んだ。
⑩ミッサンデイをサーセイに殺された。
⑪ジョンに裏切られ、愛が冷めてることを知った。
⑫サンサがティリオン、ティリオンがヴァリスにジョンの出生のことを喋った。
⑬ティリオンを”王の手”に選んだが、本当の絆を築けなかった。
孤独なデナーリスの心の拠り所が、夫の名前を引き継いだ最後のドラゴン【ドロゴン】だけになってしまったという、悲しさと怒りがごちゃ混ぜになった暴挙であったとは思いました。
民の心を掴むマージョリーみたいな存在になって欲しかったけど、やることなすことが裏目に出て、コツコツ築き上げていたものを『血筋』と『男』に取られそうになったデナーリスの最後の選択が、『支配』だったのは非常に切ない話で。
世界の歴史を見ても日本の時代劇にしても、ゲースロにしても、戦争って結局、『高貴な家同士』の領地対決とか、『国のトップ(エリート)同士』による利益が欲しいがための戦いで、下々のものを巻き込まない戦争なんていうのはほとんど存在しない。
そういうのを描きたかったのかもしれないけど、そういうのを終わらせるための終着点をゲースロは目指してると思ってたし、フィクションぐらいそうであってほしかった。
シーズン1からずっと応援していた、デナーリスの突然のブチギレを受け止められなかったし、ここに来てこんなもの観せられて、わたしのゲースロはなんだったんだ・・という気持ちには正直なりましたけども。
多分、これでデナーリスが完全な【悪役】として、最終話前にはなったんだけど、分が悪いのに王都にしがみついていたサーセイを初めとしたラニスター家や、ホワイトウォーカーの戦いにデナーリスを巻き込んだスターク家はお咎めなしか・・という気持ちはちょっとはあります。
そして、このまま玉座につくならデナーリスは死んだ方がマシです。
これが、ずっとデナーリスを推してたわたしの結論。
でも、ジョンが玉座につくのは納得できないです。
最終話を予想するなら、”狂王”二世となってしまった、デナーリス・ターガリエン一世の恐怖政治で、ジョンが業を煮やし【王殺し】となって、デナーリスを殺し、そのまま王位継承者のジョンが玉座につくかとおもいきや、もう、ターガリエンの血を王家に入れてはダメだとジョンが言って、意外なところからバラシオンが返り咲き、ジェンドリー・バラシオンが玉座について平和な王都が帰ってくる。
ジェンドリーとスタークは良好な関係が築けてるので、北部も安泰という最後かなー。
デナーリスがこれ以上壊れる姿は観たくないし、ジョンが玉座につくのも納得できないし、デナーリスをこうした責任をジョンは取るべきなのでこれしかないかな。
安直かもしれないけど、もうこうなってしまっては、正直最後はどうでもいいです(観るけど)。
本当は、もう悲しくて悲しくて泣きたいです。
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欲しい。