ブレイキング・バッド シーズン5 第14話感想です。
インターネット・ムービー・データ・ベース(IMDb)とは、Amazonが提供する映画や、テレビドラマや、ビデオゲームに関するオンラインデータベースのことらしい。
そのIMDbで4000名近いユーザーから10点満点中10点の評価を受けた今回の『オジマンディアス』というエピソード。日本のサイトでも、ブレイキング・バッドの『オジマンディアス』を検索すると【神回】という評判だったので、すっごく期待していたのですが、正直ハードルを上げ過ぎたと思いました。
前回のエピソードとそんなに大差はないように感じたばかりか、これが神回なら、今まで何度も神回があっただろう・・という気持ちとともに、なんかもう、ブレイキング・バッド観るのすっごい疲れる(笑)
特に今回は、前回静かだったせいかキャストの演技がうるさく感じて、余計に疲れました。
落ち着いてくるとともに、この【神回】の意味がわかってくるのだろうか。。
ちなみに『Ozymandias』とは、ざっくり言うと、紀元前古代エジプトのファラオ、ラムセス2世のことであり、ラムセス2世の逸話としては当時としては大柄で、子だくさん(数百人)、しかも長命、ミイラも現存しているということで有名。
偉大なファラオであることは間違いないと思うのですが、いかんせん紀元前1000年以上前の史実であることもあり、日本史と同じで創作されている部分も多分にあると思うのですが、その『Ozymandias』が何故、今回のエピソードタイトルになっているか・・ということですよね。
彼を元にした舞台や有名な著書(本は外国で探せば山ほどありそうですが)が発見できなかったのですが、どうやら、パーシー・ビッシュ・シェリーというイングランドの詩人が詠んだ詩が元になっていそうです。
1818年に発表された、ソネットという形式の短詩(14行でできているヨーロッパの定型詩)のタイトルで『Ozymandias』というのがあります。
英語詩は200年前の作品ということで、著作権はとっくに切れているので、勝手に載せて構わないと思うのですが、非常に残念なことに、自分では訳せません(笑)
日本語のポエムも書けるか怪しいのに、詩を訳すなんてハードなことはとてもとても・・。
日本語訳はそれぞれが個人で日本語に訳しているものがほとんどで、いろいろな訳を読んだのですが、下記にリンクを貼らせていただいたブログの訳が一番読みやすくわかりやすかったです。
詩の解説も今回のエピソードや今までのエピソードに通じるものがものすごくあり、感慨深かったです。
(そういえば、こんなようなこと、ウォルター言ってたわ)ってなりました。
原詩も載っていますので、ぜひ参考にしてみてください。
オジマンディアス OZYMANDIAS :シェリー (壺 齋 閑 話)
シーズン5第13話の感想はこちら ↓ ↓
第14話、荒野でのハンクとの対決があったあとのウォルターのその後が描かれました。
※以下、本格的なネタバレありの感想です。
冒頭のシーン、切なかったですね。
初めてジェシーとウォルターが作業した場所、ジェシーとウォルターもまだそこまで関係が悪くない。
作業中の休憩で、電話しながら新しい命の名前を相談するウォルターとスカイラーの幸せな時間。
その約1年後、同じ場所で繰り広げられた地獄絵図。
人生とはなんなんだ・・と思わずにはいられないシーンでした。
何名かの監督で交代しながら各エピソードが進められている『ブレイキング・バッド』ですが、その監督、監督でキャラに対する思いや感じ方が違うのか唐突にキャラ変することがあって、戸惑うことが何度かありました。
この唐突なキャラ変は、海外ドラマあるあるといえば、海外ドラマあるあるなんですけど、『ブレイキング・バッド』に関していえば、変わったり戻ったりしていたので、『!?』となることも多く、最終話を目前にして、主人公を筆頭に未だにそれぞれのキャラクターや性格がイマイチつかみ切れていない部分があります。
その感情の揺れや、定まらない性格で人間くささを描いていると言われればその通りだし、わたし自身に置き換えても毎日キャラが一緒かと聞かれれば、ノーなんですよね。
その日の機嫌や体調が心理的に作用してる面もあるし、家の顔、会社の顔、友人に見せる顔、そして誰にも見せていない顔、色々な顔を持ち併せている。
だとしても、そうだったとしても、60話も観たのにキャラそれぞれの考えていることをイマイチつかみ切れていないことを改めて突きつけられるエピソードでした。
マリーがホワイト家に口を出しすぎなこと、ハンクの電話で調子に乗ってスカイラーのところに行ったり、息子に話せとか偉そうに言ったり、スカイラーと息子の話し合いに当たり前のように同席しているのにはイライラはしたけど、マリーの今までの行動からして想像はつくし、何も知らなかったマリーをやはり巻き込むべきではなかった、ハンクが焦ったせいでの判断ミスだなとは思っていました。
それに、もうあと2話しかないのに、こんなシーン観てる場合じゃない・・という気持ちもありました。
それにしても、妻であるマリーは仕方ないにしても、ホワイト夫妻、そんなにハンクが大事!?
ウォルターがハンクを救おうと必死になっているのを観て、ジェシーは消してもハンクは救おうとするの? 意味わからん!? と、わたしはすごく驚いてました。
わたしはアンチハンクなので余計そう感じるけど、ハンク自身がこうなったのはDEAに黙って勝手に捜査していたからだし、車があったのだから逃げればよかったものを応戦したのもハンクの判断だし、それに自分のエゴでゴメスを巻き込んだ責任をハンクは取るべきだった。
今までウォルターが何人も犠牲にし、必死に稼いだ約100億円の価値がハンクに果たしてあったのかどうかはなはだ疑問だし、ウォルターとハンクが逆の立場になったらハンクは100億円で取引してくれないよ、きっと。
ウォルターを逮捕したらホワイト家が大変なことになるとわかっているのに、それでもウォルター逮捕に執着し、どんなことでもやった結果から見れば一目瞭然じゃないですか? 人がいいにもほどがある。
家に一旦戻ったウォルターが、スカイラーとジュニアを連れてすぐ逃げようとしていた時もハンクのことばっかり言っていたけど、スカイラー、ハンクにひどいことされてたじゃん。何も知らなかった時の自分じゃないんだから、(妹の旦那のことより、今、自分の夫が家族を守ろうと必死になっているこの状況がどんな状況か考えなよっ!)って思ってました。 後で説明するって言ってるのに!って。
そして、ナイフを持ち出しての刃傷沙汰。
これも意味わかんなかったです。
ジュニアの通報事件。しかもナイフを持ち出したのはスカイラーなのに、父親が襲ったことになってるし、(え? お父さんから話聞くってさっき言ってたじゃん・・)っていう支離滅裂感で頭がいっぱい。
とりあえず、警察が家に絶対に待機するようにホリーを連れ出したウォルターが、警察がいるのをわかっていてわざと、スカイラーのことも巻き込まないように、ハンクのことも含めて「全部自分がやった」と妻に別れの電話をするという、ブレイキング・バッドの全部を通して、最大の泣き所であろう重要なシーンが、疑問だらけになってしまい、ごめんなさい霞んでしまいました・・。
ウォルターも渾身の演技だったのに・・。
すごい、もったいない。ものすごく、もったいない。
だけど、ウォルターはとうとうあの車に乗り込むことが出来たのですね。
本当は家族を連れて乗り込むつもりだったけど、一人になってしまった。
スカイラーたちも大人しくついていけば、世間の冷たい風にさらされることはなかったのに、ハンクのことにこだわったせいで生んでしまった結果なので、しょうがないのかなーと、冷たいようですが。
一方、ハンクに加担したせいで死ぬよりも最悪の結果を招いてしまったジェシーですが・・。
ウォルターは目の前でジェシーがやられるのを黙認したのですが、トッドが命だけは救う結果に。
ジェーンを見殺しにしたことを自ら告白し、捨て台詞にしたウォルター。
ブロックのことは言い訳しようと必死だったのに、聞く耳を持たなかったばかりか、ハンクに寝返り裏切ったジェシーに対し、ブロックのことのほかにもう一つの墓場まで持っていく秘密を自ら告白したことがジェシーに対する、『決別の荒野』の言葉だったのではないでしょうか。『決別の荒野』は前回のタイトルですけども(笑)
まさか、ジェシーが、ブレイキング・バッド唯一のガチサイコパス、トッドの奴隷になるとは夢にも思ってませんでした。
何も言わず、あんな目に着くところに、アンドレアとブロックの隠し撮り写真をこれ見よがしに貼ってあるところが、サイコパス感すごい。
目撃少年の件でバカにされ、悔しい思いもしてるし、尊敬するウォルターの右腕だったジェシーが落ちぶれて、自分の手元で奴隷として働くなんて優越感すごいし、楽しくてしょうがないんだろうなー。
こんな楽しいことが待ってるのに、みすみす死なせるわけないよね・・。
自分を命をかけてでも守ろうとしてくれていた唯一の人、ウォルターの気持ちにも気付けなかったジェシー。
あと2話でなんとか立ち直れるのか、このままトッドのペットになって終わってしまうのか、それともウォルターがやっぱり助けに来てくれるのかは、全然わかりません。
もう、観るのが正直すごい疲れてきたので週末少し休んでインターバルを取りたいと思います(笑)
それでは、また。
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