ブレイキング・バッド シーズン3 第11話感想です。
今回の原題である『Abiquiu』というのは、ブレイキング・バッドの舞台でもあるアルバカーキがあるニューメキシコ州にある地名。
『Abiqiu』がわからなくてを検索していたら、地名ということが判明し、そしてものすごく美しい写真が掲載されたサイトがありましたので併せてご紹介。
ちょっと神聖な気持ちにすらなる、写真たち。
一度行ってみたいと思わせるとともに、ジェシーとジェーンがデートに行った先のギャラリーで語っていた作品は、女流画家ジョージア・オキーフのもの。
この美しい写真を見ていると、彼女がこの街を愛した理由がわかる気がします。
美術にもまったくの無知なので、このジョージア・オキーフのことを少し調べていたら、彼女の代表作にはジェシーの言うとおり、牛の骸骨をはじめとするスカルモチーフの作品も多かったようですね。
そんなスカルモチーフを得意とした彼女が、突如ドアの絵に固執した理由が全くわからないとジェシーは楽しそうに言っていましたが、ドアには不思議な魅力があると熱く語るジェーン。
アートに無縁で絵心は皆無のわたしでも、ドアに固執した理由はなんとなくわかる気がしました。
扉はどこかに出たり入ったりする、建物の中でも重要な役割を果たすとともに、扉が開いたり閉じたりすることで、安心感や解放感を感じることもできるし、逆に扉があることで閉塞感や不安感を持ったりすることもある、確かにジェーンの言う通り、扉はその時々でいろんな顔を持つものだと思うからです。
アーティストがその魅力にとりつかれてもなんら不思議ではないと感じます。
おそらく、アビキューの街にジョージア・オキーフの作品が展示されているギャラリーがあったのだと思うのですが、付き合いたての若い2人が彼女の趣味を尊重し、アルバカーキからアビキューの街まで車で片道約3時間弱のドライブは、思い出に残る楽しいデートだったことでしょう。
その時ジェーンの吸っていたタバコを捨てられないジェシーが切なかったです。
シーズン3 第10話の感想はこちら ↓ ↓
シーズン3第11話は、ハンクのためにウォルターが稼いだお金を使うと決心したスカイラーが、ソウルの資金洗浄作戦に口を挟んで話がこんがらがってきたり、ハンクの病人のワガママが炸裂して、マリーが困惑したりする夫婦問題が描かれる一方、ワークショップの仲間に薬を売ろうとするジェシーにまた新たな問題が勃発し、大トラブルを引き起こしそうな展開です。
※以下、ネタバレありの感想です。
今回のエピソードは、まずこのことを言わせてください。
薄々そうじゃないかとは思っていたけど、スカイラー、離婚の書類出してなかったーっ!
やっぱりそうか・・と。
結婚指輪をずっと外さないウォルターも気にはなっていたけど、それは別に強い意思があってそうしているわけではなく、なんとなくだったのかなとわたしは思っていて。
ウォルター的には最初は家族に固執していてスカイラーの機嫌も取っていたけど、離婚したらしたでスカイラーから解放されて清々しい気持ちになっていたのも事実(だと思う)。
離婚が成立してなかったの、衝撃だっただろうな。
嬉しくない、と瞬間的に思ってしまったのではないだろうか。
ウォルターが資金洗浄の件でスカイラーに問い詰められ、やむなくソウルのところにスカイラーを連れて行く羽目になったりしてるわけだし。
ソウルの事務所の混沌としている待合室に、ウォルターとスカイラーの2人が押し込められている映像、シュールすぎる(笑)
ソウルもさすが場数を踏んでいて、その場ではスカイラーのことをやり込めたけど、スカイラーは、負ける負けないに関わらず絶対自分の意見を曲げないし、あくまで自分の思った通りに動きたいだけだから、もう、めんどくさっ(笑)
とは思ったけど、よくよく考えたらスカイラーは経理のことにも詳しいし、敵になるよりは味方につけたほうが、捕まりたくないという思いから案外肝が据わってうまくやれるのでは? と思ってしまった。
嘘は女性の方が圧倒的にうまいし。
多分、女性は腕力で身を守れない分、嘘がうまくなったんだろうなーと思っています(笑)
洗車場の経営をスカイラーに任せたらいいと思うよ。
自分が言い出したことだし、多分意外とうまくやる。
でも、そうするとこれからウォルターに起こる色々なことぜーんぶ報告しないと、またギャーギャー言ってくるので、どう転んでもやっぱりめんどくさい。
そうなると、ハエ回のエピソードで、あのタイミングで死ねればよかったというウォルターの言葉がジワジワ胸に響いてくる。。。
めんどくさいといえば、ハンクの病人のワガママが炸裂してますね。
確かに本人が辛く苦しいのはわかるけど、付き添ってるほうだって大変だし、病人には強く言えなくて色々我慢しちゃうんだよね。
マリーは仕事だってしてるわけだし、家と病院の往復が、精神的にも体力的にもどんなに大変か。
看病してもらってるほうは、八つ当たりする相手がどうしても看病してくれてる人になっちゃうんだけど、自分のためにそこまでしてくれるのを当然と思っては絶対いけないんだよね。看病してるほうはワガママな病人に優しくできないのって、自分がすごい人でなしのような気がしちゃうけど、そんなことはないと思うんだ。
マリーに、「不満はや気持ちはちゃんとハンクに言っていいんだよ」って言ってあげたい。
一方、真面目に働くウォルターとジェシーのラボに鳴り響く大音量の固定電話音。
ポヨスのオーナーからのディナーへの招待。
断ることは許されないし、遅刻厳禁なので、時間ピッタリに上ジャケットを着て到着するウォルター。
広くて清潔なキッチンで紳士的に応対するガスに、どうしても思い出してしまう、ドラマ『ハンニバル』のハンニバル・レクターの恐怖。
そして、あんなに笑って饒舌なガス、初めて見たし、余計怖い。
ウォルターも、料理を味わうどころではなかったようで、直接的に話を切り込んでしまう。
ガスは、「同じ過ちは繰り返すな」と言っていたけど、ジェシーのことだよね。
同じ・・っていうわけではないけど、過ちを繰り返す寸前だけどね、既に。
そんな、過ちの方向にどんどん向かっていってしまっているジェシーですが、ワークショップの仲間へのビジネスがうまくいかないうえ、友達がセラピーにハマってるというミイラ取りがミイラ状態になって、全然うまくいかなくて安心していたのも束の間、ジェシーがターゲットにした女性にハニートラップを仕掛けたら、その女性の弟がジェシーの友人のコンボを殺した自転車少年だったというオチがついてきた。
復讐心に火がついてしまったジェシーの単独行動の火種が、このあとどんな事態を巻き起こすのかもう不安しかないです。
シーズン3もあと2話、話がどう終結するのか目が離せない展開です。
それでは、また。
第12話の感想はこちら ↓ ↓
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