『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン8(最終章)第6話『鉄の玉座』感想
です。
架空の時代、架空の土地ウェスタロスに存在する七つに分かれた国、それぞれの領主の頂点に立ったものだけが座れる王都の【鉄の玉座】。
その諸国王家と民を統べる激しい統治者争いが8シーズンにも渡って描かれた壮大なドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』が、このエピソードを持って終焉を迎えました。
登場人物の多いドラマだったため、観る人それぞれがそれぞれの思いで最後を迎えたと思いますが、わたし個人としては、この一個前の第5話で絶望感を味わっていたので、うまく言えないのですが、割と無の心で最終話を眺めていました。
改めて、観ていたというより【眺めていた】と言ったほうがしっくりくる。
前回観終わったあとで予想していた最終話のストーリー展開が、半分ぐらいは当たっていたので心の準備が出来ていたというのも大きかったと思います。
そういった意味では、制作側の思惑通りのラストだったのかも・・とは思います。
こうしてしまった以上、こうするしかないよね。
って前回のエピソードで絶望感を味わったわたしですら思ってしまったので、みんなが納得はしないまでも、これで終わったんだな・・となんとなくおもってしまう、さすがの上手い纏め方だったのかなと。
という見方もできますが、正直なところ、わたしにでもあらかた予想できる程度の最後にするしかなく、そのぐらい時間がなかったんだなっていう感じでした。
そして、『ゲーム・オブ・スローンズ』では一貫して、デナーリス・ターガリエン推しとして迎えた最終話ということで言いたいことはあるので、下記に書き散らかしたいとは思います。
第5話の感想はこちら
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~あらすじ(ネタバレあり)~
シーズン8(最終章)第6話(最終話)『The Iron Throne』
ドラゴンに乗ったデナーリスが、市民も含め王都を破壊。
その惨状を前にティリオンは茫然としていた。
兄、ジェイミーの行く末が気になったティリオンは逃げ道を指示した場所で、サーセイを庇うようにして息絶えていたジェイミーをがれきの下に見つける。
ジョンは、グレイワームが捕虜にしていたサーセイの軍を解放するよう告げるが、グレイワームは「クイーンの指示だから」とジョンの意見を聞き入れない。
一方、デナーリスは廃墟と化した街を背に、アンサリードとドスラク軍を前に高らかに勝ち鬨をあげ、これからも各地の奴隷解放の邁進を宣言する。
アリアは、ジョンにジョンの命が危ないと告げ、ジェイミーを逃がした収監されたティリオンはジョンに、デナーリスの命を亡き者にするように頼む。
廃墟にたたずむ玉座を前に興奮を隠しきれないデナーリスは、現れたジョンに市民を巻き込んだことを責められるが、市民を盾にしたのはサーセイであり、自分はこれからも奴隷を解放していく旨を告げるが、その言葉を聞いたジョンは覚悟を決める。
そして、デナーリスを失った王都に、スターク家、グレイジョイ家などが集められ新しい王を決める会議が行われる。
こうして実際終わってみると、イギリスドラマっぽい最後だったなぁとしみじみ思います。
結果的に小評議会に、ブライエニーという女性が加えられはしましたが、サムが「この土地に生きているのは貴族だけではない、その王を決める権利は民にもある」という意見が一笑に付され、スターク家で、ただ一人残った男子のブランが王になるという、結局そういう感じねっていう。
わたしは、ロバートの落とし子ジェンドリーがなるかと思っていましたが、やっぱり落とし子は王にはなれなかった。
そういう発想は貴族出身者には1ミリもなかったんだろうなーと思う。
彼は平民育ちのため、平民に寄り添えるいい王になると思ったけど、貴族の嫡男一択かぁ、という残念さはありましたが、イギリスドラマなりの皮肉かもしれません。
最初の間は、ブランが王になり平和が些少は保たれているとしても、奴隷解放がうまく進まなければ、一気にやるか、ジワジワやるかの違いで、デナーリスと同じ手段を選ばざるをえなくなり戦が起きるか、貴族や特権階級の人たちに忖度し奴隷制度を廃止に持ち込めず、今までとたいして変わらない政治を続け、そのうち貴族への不満がたまった市民の革命が起きるというのが今までの歴史だと思うし、政治的には色々あったけど、振り出しに戻っただけという風にも感じます。
ほとんどが故人になったので仕方ないけれど、出来立てほやほやの小評議会の頼りなさが際立っていたし、やっぱりちょっと悪どい人が居ないと政治はダメだなと思わず思ってしまったのも、穿った見方かもしれませんが風刺っぽいなという感じもしました。
ベイリッシュや、タイウィン、ヴァリスが居た時の方がなんとなく安心感があった(笑)
ただし、元々の独立国家だった北部がターガリエン→バラシオンに支配されていたのち、今回、ブランを王にするのと引き換えに北部の独立を勝ち取ったというスターク家にとっては、色々な犠牲も払ったうえでのハッピーエンドということで、結局サンサの1人勝ちという終わりに感じました。
幼いころから夢見ていたのとは違う形ではあるけど、「女王になる」という願いを実現させたのはサンサだけ。
サーセイもわたしはそこまで極悪人だとは思っておらず、わたしにとっては、常にかわいそうな人だった。
家庭の母を望んでいただけで、そこまで政治に向いてるわけでもないし、やりたくもないのに必死に立場を守ろうとして空回りばかりしていて不憫で見ていられないことのほうが多かった。
帝王学にも興味がなかったろうし、人を見る目もなかったし、人徳にも恵まれなかった。
あのとき、ミッサンデイをやるのは得策じゃない、無血開城すべきだと進言してくれる人もいなかったのは、王都の民、サーセイ、デナーリス含め、色々な人を不幸にしましたが、サーセイを孤独にした原因は、ティリオンやジェイミーにもあるので、なんともいえない。
最後は最愛のジェイミーと一緒に死ねてよかったんじゃないかな。
個人的には、彼女なりに頑張っていたと思う。
一方、わたしがずっと応援してきたデナーリスは、実の甥の手にかかりこの世を去ってしまいました。
ずーーーーっと嫌いだったジョン・スノウに、最推しのデナーリスを殺されて、わたしの『ゲーム・オブ・スローンズ』は終わりました。
推しを愛する余り、野生の勘でこの時を予言してたのかっていうぐらい一秒たりとも好きになった瞬間がないジョン。
シーズン7の最終話では、そんなジョンと結ばれたデナーリスに激しいショックを受けたけど、そのショックに比べれば、今回ジョンにデナーリスが殺されたことはそこまでじゃなかったです。
前話でこの展開は予想してたし。
むしろ、2人のハッピーエンドなんか観たくなかったので逆によかったと思っています。
他にわたしと同じ人(アンチ・ジョン、デナーリス推し)いるのかな・・(笑)
そもそも、スターク家を応援してた人が多かったんですよね。
ゲースロはスターク家の物語だったわけで、ジョンも人気があったみたいだし。
ジョンといえば、最後結局死なずにナイツ・ウォッチに戻っていたけど、あの壁はナイト・キングに破壊されたんじゃなかったの? また作ったの?(誰が?) あと、壁は今必要なの? という疑問だらけで終わってしまったのですが(笑)
それでも、デナーリスと共に歩んだ『ゲーム・オブ・スローンズ』だったので、最後もデナーリスの話で締めさせてください。
今回のエピソードで死ぬことがわかっていたけど、デナーリスがホワイトウォーカーとの戦いの時は真っ白なコートを着ていたのに、戦闘服の真っ黒な衣装に衣替えし、勝ち鬨の口上をドスラク語で演説するさまは、やはり美しかったし、かっこよかったです。
そして、鉄の玉座を前にして、あこがれ続けた権力に震えるさまの演技も見事でした。
結局、彼女にとって尊すぎて座ることのできなかった玉座。
その玉座の目の前で、ジョンにあっさり命を絶たれてしまった。
母の命の危険を察し、ドロゴンが登場し倒れているデナーリスを起こそうと、鼻で優しくつっついている様が切ない。
死んでることを確認すると、ジョンを攻撃するのかと思いきや、激しい火で玉座をなきものにしました。
この時(あー、本当にドラゴンたちはデナーリスの子どもだったんだなぁ・・)と思って、さすがにちょっとうるっときてしまいました。
「ドラカリス」がなくても、ドラゴンたちは自分の意思で火を吹くことができる。
ドロゴンは、ジョンとデナーリスが愛し合うさまをじーっと見ていたドラゴンで、三人のうちの最後のドラゴンです。
デナーリスがジョンを愛していたことを知っていたからジョンのことは攻撃しなかったし、デナーリスとドラゴンたちの間には絆がきっちりと形成されていました。。
全てのこうなった原因は【鉄の玉座】だとドロゴンはわかっていたので、玉座を破壊してデナーリスを連れ去った・・ということをジョンはわかってたのかなぁ?(怒)
デナーリスだけ死なせて自分は、生き延びてたけどさー。
偉そうに、サンサたちに「自分はスタークじゃなくてターガリエンだ」って言ってたんだから、ターガリエンとして責任とって欲しいとは思っていたけども。
結局、デナーリスがジョンに出会わなければこんなことにはなってなかったとやっぱり悶々としてしまう(笑)
多分、グレイワームも同じ気持ちで、最後までジョンに睨み効かせてたし、ミッサンデイと女王両方失って「絶対、ゆるさねー!」っていう恨みの籠った目で見てくれていたことがわたしの気持ちを少し落ち着かせてくれました。
ミッサンデイと行くと約束していた土地のナース島で、グレイワームが少しでも穏やかな暮らしが送れますように。
グレイワームも、ミッサンデイも、そしてジョラーもずっとデナーリスに命がけで寄り添ってくれてありがとう(涙)
ドラゴン三人を孵化させてベビードラゴンと登場してわたしの心をガッチリ掴んだ彼女が、最後までドラゴンの母だったことだけが、わたしにとっての最後の救いでした。
多分あんだけのことをしておいて天国には行けないと思うし、ドロゴも地獄に落ちてるとおもうから、地獄で2人で再会し、短かった結婚生活やり直してください。
そして、ブランは、ドラゴン探すって言ってたけど、どうか、どうかそっとしておいてあげてください。
多分、デナーリスが自分たちを産んだ土地に帰ってます。
小柄で気高く美しい女王、デナーリス・ターガリエンの物語を観られて幸せでした。
このドラマが、気軽に観られる時代に生まれてよかったと思います。
『ゲーム・オブ・スローンズ』本当にありがとうございました。
色々な意味で、わたしの中で、人生の1本になりました。
そして、ここまでデナーリスへの愛を垂れ流した文章にお付き合い頂いた皆様お疲れ様でした(笑)
重ねてお礼申し上げます。
ありがとうございました!!
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