Netflixの『メイクアップ・スター』。
twitterで呟いてもあまり観ている人がいないようで、この番組について話す人がおらず見てない家人に延々と内容を話すというのもかわいそうになってきたため、自ら宣伝せねばならんなと思って筆をとりました。
こちらの番組、メイクアップ・スターということで、メイクに興味のある人ターゲットかなと思いきやもちろんそういう人が見たら確実に面白いんですけど、下記のサムネをみてください。
男性の出場者も多いですし、既存のメイクの概念を超えたアートが多いメイクなので絵を描く人をはじめとして彫刻や現代アートなどを自分がやる鑑賞するなど多方面にたしなんでいる人にも十分に見ごたえのある作品となっております。
わたしはメイクも(今は)そこまでやらないですし、アートも全然詳しくないですけど面白いです。
こちらの番組はイギリスで放送されている勝ち抜きスタイルのリアリティーショーです。
わたしはこの番組を観る前に同じイギリスで放送されている『ブリティッシュ・ベイクオフ』というアマチュア菓子&パン職人の勝ち抜きリアリティーショーをシーズン6まで観ており、面白かったんですがさすがに似たようなお菓子とパンを6シーズン観ていたらちょっと飽きがきてしまっていたのです。
そして、次に観るものを探していてたまたま移行してきたこちらが同じイギリスのリアリティーショーだったので番組構成やルールなどがブリベイと似ていてとっつきやすさがありましたが(ブリベイ飽きてたのに似たようなやつか…本当はアメリカのやつがよかったな)とか冒頭は失礼なことを思っていました。
しかし、気が付いたら『メイクアップ・スター』のエンタメ性にハマってseason1をあっという間に観終わって、今シーズン2の中盤に差し掛かっています。
いや、Netflixだしなんとなくアメリカの作品だと思っていたんですよ。
メイクアップアーティストで一旗揚げるなんてアメリカンドリームっぽいじゃないですか。
ハリウッドで派手な感じでやるリアリティーショーなのかなーって。
それはそれで見たかったし面白そうなんですけど、イギリスの真面目さ肌に合うわ。
※よかったらブリベイも面白いので観てね。
わたし自身、もう自分へのメイクからは卒業しており普段はマスク生活なのをいいことに必要最低限なのですが、若いときはまぁまぁがっつりやっていました。
週末出かけるときは支度に二時間は普通なレベルでメイクをしていたので、メイクに時間がかかることとメイクの大変さはわかっております。
でもさ、あれだよね。
実際はさ、肌がピチピチしていてシミも少なかったあの頃より今の方ががっつりメイクしたほうがほんとうはいいんだよね。
と、自分語りはおいておいて本題です。
『メイクアップ・スター』は日本のコスメYoutuberの戦いをイメージしている感じの方も多いかと思うのですが、番組はそういう類のメイク方法紹介やコスメ紹介的なものとは全く別物であり極端なことをいえば一般人が普段行うナチュラルメイクに参考になるようなことはほぼ皆無です。
今の若い子はわからないけど、少なくともわたしはなかったなぁ…。
例えていえばシミやクマを隠すコンシーラーの使い方とか色の選びかたとか、目を大きく見せるアイメイク紹介とかそういうのは一切なくてむしろアート性を重視したフェイスペイントのようなメイクや特殊メイク、舞台メイクなどに振り切っている。
今まで見た中で、唯一普段使いできそうな技は下地の前に顔をマッサージするっていう言われなくてもみんなやってそうなことだけだった(笑)
ミュージカルの現場や、ファッションショー、レッドカーペット前のセレブ、雑誌撮影の現場に出場者を連れていき本当の模擬ではない現場でセレブやモデルにメイクをさせてジャッジするという課題があり、どこまで事前に内容を知らされているかわからないですが(いきなりドラァグメイクとか素人に無理じゃない?(笑))となったり、若者の不躾な行動やマイペースさに腹が立ったりする反面、情熱や真面目さに心を打たれたりもする。
見どころは本物のモデルのビフォーアフターが美しいところと、エンタメの舞台裏を見られるところ!
こんなにたくさんのモデルさんを一度にじっくり見られることもそうそうない。
みんな顔が小さい、スタイルよくてポージングうまい。
目の保養。
メイク前でも全然美しい。
ミュージカルの舞台裏、ファッション雑誌の舞台裏、レッドカーペット前のセレブなどが見られるのは、エンタメ好きとしてはおいしい気がする!
そういうの見るの大好き。
正直アートもメイクもわからないから「オンブレってなに?」みたいな感じなんだけどわかんなくても面白いです。
あと、イギリス独特のジャッジ方法なのかブリベイの時もそうだったけど、今までどんなにいい成績でいい作品を生み出していて実力を認められていても一個前の課題が最高評価でも次の評価でミスると落とされるという本当に最後まで誰が残るかわからないハラハラ感が魅力なのだとは思いますが、落ちるべき人がなかなか落ちないという矛盾も生まれるので、このジャッジスタイルは公平なのかどうかいまだにわかりません(笑)
シーズン1では、推しと一番早く落ちて欲しかった人の一騎打ちになって超ハラハラしたもん。
今考えてもあの子が決勝はないと思った。
自分の応援している人に勝ってほしいというバトル系のリアリティーショーならではの楽しみももちろんあります。
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こちらの番組の趣旨は【新星メイクアップアーティストの発掘】です。
っていうか最終的にそうなったみたい(笑)
シーズン1の最後、優勝者を発表する段になって急に「優勝者は有名メイキャップ事務所に所属して、有名メイキャップアーティストの助手として働いてもらいます!」っていう発表があった。
ブリベイもそうだったけど、表立って優勝賞金とかないのがイギリススタイルらしい。
これは大チャンスなので、メイクの世界でプロとしてやっていきたい人には本当に魅力的な話だとおばさんは思った。
若いときにテレビ番組に見いだされて好きなことで身を立てる絶好のチャンスだと。
しかし、シーズン2も半ばになり普段そんなに接しない若者をずっと見ているうちに(これは今の時代の若者を象徴している番組だなぁ)と思うようになりました。
もちろん、情熱を持ってメイクの世界で生きていくんだ!という強い信念を持って挑んでいる人もいます。
しかし、これは国民性もあるのかもしれないけれど自己肯定感が高く批判されることに慣れていないので基本的に褒めることが多いリアリティーショーだとは思うけど、一応バトル番組なので失敗すると批判はされる。
でもいい作品を生み出すと女性の審査員が独特のハイテンションでものすごく過剰に褒めてくれる。人生でこんなに称賛されることもないんじゃないかってぐらいの褒めっぷり(笑)
だけど、審査員もプロなので甘えた態度には教育的指導も入る。
自分が選んだ人が、同じ業界人として修業に入るという責任感もあって変な人を選べないというのもあるかもしれない。
メイクの世界をなめてるやつはプロには許せないのもわかるし、正直もっと厳しくした方がいいとすらわたしは個人的に思ってしまうけど、欧米はキッズに甘いので大人が若者に割と気を使っているようにすらわたしには見える程度なのに、出場者たちは批判されると心の折れ方が半端ない(笑)
この番組に出るような技術を持っている子はただ単に自分の顔を大変身させるだけに留まらず、特殊メイクなどのメイク技術や知識を持っている子も多くてそういう子は絶対に動画を配信したりインスタやったりで、すでにそこそこ有名人な人も多いみたい。
今やSNSで食べていける時代になっており、自分を”その道のプロ”として成功させることに価値を見出さない時代になったんだなぁと時代の変化をひしひしと感じました。
流動的な生き方ができるということが魅力な反面、メイキャップアーティストって基本的には人をメイクする仕事だから、裏方のお仕事なんだよね。
メイクする相手を顔とか肌とかそういうのを見たり、写真を撮りたい人や映画や舞台なら作品の意思を組んでそれに最も最適なメイクをして一番美しい状態で送り出す仕事だと思う。
でもSNSだと自分が主役になれるでしょう?
ブリベイは若い人が少なかったからそうでもないけど、それでも名前を売ることに成功して店出したりしてる人も居ましたが、SNSで大量のフォロワーをすでに獲得している人などはあまり居ない感じだったので気づきませんでしたが、こっちはみんなそれなりにすでに成功してるので「別にこれに勝っても得なことないし、わざわざ批判されるようなことをやる必要性を感じない」といって『ル・ポールのドラァグレース』でも居たんだけど、自ら途中退場する人やわざと落ちる人がこういうリアリティーショーで出てきてる。
そしてそれが視聴者に伝わっている。
なんだろう、SNSですでに有名になっている人なんかは、ボロが出るのが嫌とかイメージを壊されるのが嫌みたいなこともあるかもしれないなっていうのはうっすら思う。
わたしのようなブロガーでもたまに「ブログのファンです」と言ってもらえることがあって、でも実際にファンに会うのはすごく怖いことだと思っているので、SNSでの自分のイメージと立場を守りたいっていうのすごく気持ちわかるよ。
今までSNSではチヤホヤされてたけど、周りはどう見ても自分より優れているし自分は勝てそうにないなって思ったら自分のキャラクターが壊れる可能性も出てくるわけで。
出場自体は若いから勢いでっていうのもあるかもしれないけど、そういうのが透けて見えると観てるこっちとしてはテンション下がるんだよねぇ(笑)
芸能界に入らなくても、その道のプロとして修業を積まなくても、SNSや動画配信で一挙に有名人になって稼げる時代に、昔ながらの考えは通じないよなっていうのがこのリアリティーショーで一番勉強になったことかもしれないです。
という昭和っぽい考えはおいておいても、先ほども少し話ましたがが改めてメイクというのは裏方のお仕事であり、人を輝かせたいという気持ちと素養がないと難しいということを実感しました。
自分の腕を披露したい!という気持ちでメイクしてるとメイクにそれが出て、メイクされた人がきれいにならないんだよね。元がいいのに。すごく不思議。
そういう人間観察も楽しいので、ぜひたくさんの人に観てほしいです~。
ちなみにシーズン1は一番勝ってほしいと思っていた人が無事優勝しました!
お疲れ様でした。
立派なメーキャップ・アーティストになってください。
わたしも続きを楽しんで観たいと思いますー。
それでは、また。
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