改めまして、こんにちは。
1年アジアの実写BLを見続けた話が思いのほか長引いてしまったので、後編です。
※前編はこちら
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後編は、宣言通り韓国と日本のことについて書いていきたいと思っています。
基本的にはこのブログは(最近観てないから全然書けてないけど)洋ドラと、映画について記事を書いているブログなのですがX(twitter)効果でBL界隈の方にも少し記事を読んでいただけだようで、最近かなり斜陽と化していてアクセスもあまりないので嬉しかったです。
今年はもう3月だけどちょこちょこブログ書くように頑張ろうと思いました。
というわけでそれでは、さっそく後編進めていきます。
脚本と演技力、そして豊富な資金力で作品を作る日本と文化が近い【韓国】
韓国ドラマはBLに手を出すまでほとんど観てませんでした。
イメージ的に恋愛ドラマのイメージがあったためです。
基本、恋愛メインのものはBLとディズニー以外は観ない派です。
恋愛ものじゃないと見せかけて恋愛ものにシフトするのは言語道断ですが、登場人物がメイン物語の傍らに少し恋愛がさしこまれるのはそんなに嫌ではないけど許容範囲ぐらいの感じでエンタメ作品を消費していたぐらいなので、冬ソナのイメージがあった韓ドラはターゲットにしていなかったのですが、
なんということでしょう。
今では、韓国BLで韓国ドラマになじんだおかげで洋ドラをさしおいて韓ドラ(恋愛以外)を観続ける日々。
韓ドラ面白いよ! ありがとうBL!!
韓国エンタメのクオリティーはアカデミー賞も認めているレベルだしわたしがいうまでもないことは皆さん周知の事実だと思いますが、韓国BLも他国に比べて実際ハイクオリティーなんですよね。
タイトルの通りなのですが、まずみんな演技がうまいよ!
今まで韓国作品で演技下手だなと思ったのBLですらあんまりいないよ!!
BLドラマは他の国もそうだと思うけど、演技駆け出しがが演技に向かう登竜門だったりするしびっくりするぐらいの演技の人いるけど韓国は最低限の演技はできる人が起用されている。
それだけでも韓国エンタメの厳しさがわかったし、BLを見ていてわかったことなんだけど、演技の下手な人がやってるドラマは基本的につまんないってことがわかった。
全然心動かされない。虚無。
なので、BL以外の今までのつまんなかったドラマにも演技下手がいた可能性が高かった可能性もある。
なので、演技が最低限出来る人が多い(全部ではない)韓国BLは総じて面白く感じる可能性が高いと思う。
あとさ、演技がうまいと登場人物がかっこよく見えてくるんだよね。
わたしは基本的には顔の造形による美醜があまりわからないので、美が担保されているのが最低限のジャンルであるBLに出ている人たちはみんなかっこいいんだろうなと思う。
実際、手足と首の長さと顔の小ささが二次元だしこんな骨格に生まれたら芸能人目指すしかないよなって感じの人が多いけど、顔がいいかどうかの判断はできないのでよくわからなかったけど、演技がうまいと顔がすごくよく見えてくるんですよ!!
ロジックとしては、
演技うまい→お互い好き好きオーラが出る→お互いのことは全部好き→もちろん顔も好き→「俺の好きな人イケメンすぎない? もちろん顔もやばくない? 顔がよすぎて直視できない!(照)」っていう演技がうまい→見ているわたしはそれぞれ顔がいいと判断
っていうことだと思うんです。
演技がうまい同士だと相乗効果でお互い魅力的にみえてしまうんですよ。
なので売り出しとか予算とかの関係で二人のうち演技が未熟なほうをそこそこ演技できる方でカバーしようとして微妙な完成度の作品にしてしまう例がたまにあるんですけど、それをさらっと両方うまい役者を連れてきて作品自体のクオリティーをあげているのが韓国BLなんですよねぇ。
あとは脚本と演出がやはり洗練されている作品が多いと思った。
今まで見た韓国BLのストーリーは思いつく限り今あげてみますが、各国ありがちな王道のオフィス、学生、芸能人、作家、飲食店はもちろんのこと、人外、タイムスリップ、時代物、ミステリーなどドラマとしての多様さと面白さは韓国が一番だったので途中で続きが気になってやめなくてもいいように韓国BLを観るのは休みの前の日中心にしていた(笑)
作品によっては(わたしはBLを観ていたはずなのだが?)という制作陣が作っている間にBL以外のほうに舵を切りたくなってBLを疎かにする作品にも何度か出会ったので賛否ある感じだけど、そこは作品の面白さという強引な力業で観させる力が韓国BLには存在していたと思う。
その代表格だと思うのが未だにシーズン3の更新を待っているんだけど、続きどうなったの? っていう『カラーラッシュ』。
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予告はめちゃくちゃBLだし、シーズン1はストーリー的には暗いけど王道な感じなんですよね。
本能で惹かれあう唯一無二的な存在BL。
色が見えない世界から色が見えるシーンの光の演出とか今までにない感じで韓国BL初期に観た作品だったから「すごいなぁ、韓国の作品は」ってシンプルに感心していたんですけど、シーズン2から雲行きが怪しくなって「待って、待って。これはアリなのか?(笑)」ってなったのですが、結果的にはシーズン2のが個人的には面白くて好きで、話も全然完結しなかったのでシーズン3の更新を待ってるんですけど、これまさか更新されない感じ? 人気が出れば更新される? 頼むから完結してほしい。
っていう作品もあったり。
そして、こちらは気に入りすぎて観るものがなくなって唯一二周してしまった『ひかり男子校生徒会』。
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乙女ゲームが元のBLだったらしく、最後の最後の最終話までエンディングがわからなかった。
1対1の恋愛が基本のBLというジャンルで当て馬でもないのに主人公が誰を選ぶかわからないのが前代未聞で新鮮だったし、作品の雰囲気も割とほんわかしていて好きでしたし、初恋の描き方がとてもよかった。
さらには静かな雰囲気がよくてすごく好きだったタイムスリップもの『君色に染められて』。
※わたしはドラマ版を観ました。
他にもオフィスものと輪廻転生の合わせ技『初恋だけ3度目』。
などなど、ちょっと凝った設定のものが多く、他国に比べてそういう変わったストーリーを進行できる資金力みたいなものも感じてました。
各国のBLを一言で表現すると、台湾が桜満開な春のBLで、タイが太陽の夏のBLだとしたら韓国は冬のBLなんです。
実際、冬のシーンが多いからとかじゃなくてさ(笑)
冬の激しさと厳しさと静けさ。
そして真冬の晴れた日の雪原の温かさを感じるBLというか。
ラストも春の訪れを感じさせる冬の終わりみたいな静かな雰囲気が多いイメージ。
(注:私は北海道生まれ、北海道育ちで冬大好き)
ただですね、色々素晴らしい韓国BLなんですがわたしハピエンガチ勢なんですよ。
世の中の辛いことは現実だけでいいという理由でストーリーに波の少ないBLを観ていたわけです。
あるんですよ。
韓国にはアンハッピーエンドが紛れてる!!!(涙)
そういった意味で韓国BLは諸刃の剣で、途中かなり疑心暗鬼になっていた。
アンハッピーエンドをつかんだが最後、引きずるほど落ち込んじゃうんですよね。
そこは慣れと克服しかないと思っていて、おもしろさと引き換えにアンハッピーエンドリスクも背負う覚悟というか(大げさ)。
文化的には日本と近くて、学歴社会の感じとか家族関係とか。
日本のそれをちょっと激しくしたような感じ。
学生は学歴大事だからめっちゃくちゃ勉強するし、家族の絆も強くて上下関係も礼儀にも厳しい。
でもきちんと話したらわかってくれそうな気がするところもある。
韓国のお父さんのほうが台湾のお父さんよりは頑固度が低いイメージ。
でも、世間的に認められてはいない関係だから家族に紹介とかないし、家族として暮らす感じの作品はあんまり観たことなくて基本的には付き合うまでが描かれていて付き合ったあとはあまり描かない作品が多かったです。
そこは日本のBL作品と近いかな。
そして、ここがちょっと日本と違うかなと思うところが差別は全然ありそうなんですけど、日本みたいにこう見ないようにする感じとも違うという印象があります。
存在は知ってるけど、自分は嫌い!! みたいなはっきりさ。
BLじゃない韓ドラでは政治不信や権力への対抗みたいなテーマも多くて、市民がよくデモをしていたりとか日本よりも主張をはっきりしている分、差別も激しいけど権利を訴える声も強いのかなという希望的観測はあります。
あと、韓ドラを観ていて初めて知ったことなんですが、教会めちゃくちゃ多いですよね。
それでちょっと調べてみたのですが、韓国は半数の50%が無宗教、残りの半数のうち20%が仏教、そして30%がプロテスタントとカトリックを合わせたキリスト教で、キリスト教が人口の1/3ほどいるらしい。プロテスタントの方が若干多いですが儒教のイメージがあったので全然知らなくてごめんなさいと思いました。
ちなみに儒教は宗教として信じるというよりも国民の根幹の考え方というか生き方に浸透しているようでして。
日本は鎖国やら弾圧で踏み絵なんかで粛清をやらかしたせいか人口の1.5%ですって。
隣の国の韓国が人口の30%ほどがキリスト教と思うと物思いに耽ってしまいそうになりますが、作品を見ていて思い当たる節もありますよね。
あと、韓ドラは世界を見据えているからなのかポリティカル・コレクトネスに配慮しているのも感じます。
ただ、そういう全体的な完成度の高さや小手先のうまさでいまいち乗り切れず気分によっては粗削りでも楽しませようと全力を出してくれるタイ作品などが恋しくなることもあるのですが(笑)
そこは個性だし、違うことを楽しめるのでむしろありがたいです。
いろいろなしがらみもありそうな感じではありますが、韓国制作の社会問題を取り入れた男性が恋愛対象の男性メンバーで構成された恋愛リアリティーショー『ボクらの恋愛シェアハウス』などもあるのでたぶん現場は相当頑張っていて、今は描かれていない将来的な関係性も今後は描かれていくとは思います。
※現在は他の配信サイトでも配信されている番組です。
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日本でこのような番組が制作されるのは何年後かなーと思いながら観ていました。
そして、これも大事な気がするので書いておきたいのですが韓国BLの好きなところは役割をハッキリさせないところです。
そもそもあまりR18は描かない国でそこも好きなところなのですが性的なそういうことだけではなくて、今の男女の役割に当てはめなくてカップルでも妻とか言わない。
少なくともわたしはあまり聞いたことがない。
BLに男女の関係を持ち込まれるのはあまり好きじゃないのですがタイはけっこう妻とか彼女とか言いがちであまりそこは好きじゃないです。
訳の問題かもしれないと最初は思ってたけどたぶん違うよね。
わたしは性別自任はずっと女で確かに性格的に女っぽくない部分も多々あるけど、だからといって彼氏とか、夫とか、ましてやおじさんって呼ばれたくない。
おばさんは全然呼んでくれていいけど、おじさんはやだよ。違うもん。
特に妻は法的な関係による配偶者だから、100歩譲って妻っぽい立場の人だったとしても今は特にそう呼んじゃいけない気がする。
韓国ドラマのそういうスタンスは好きなので、絶対に貫いてほしい部分です。
まだ観てない韓国BLの新作も何作か控えているのでU-NEXTに舞い戻った際には一気見したいですね!
今後の韓国BLには期待かなりしてます。
タイとのコラボも進んでる感じだから本格的なやつ観たいです。
重ねて言うのですが、もう最悪人を変えてもいいからぜひ「カラーラッシュ」の新作をお願いします!
あのままはちょっとあんまりだと思うのよ・・・。
※「カラーラッシュ」「ひかり男子校生徒会」「ボクらの恋愛シェアハウス」U-NEXTで配信中
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玉石混淆。業界自体の意識の変革に今後期待【日本】
最後。我が国、日本です。
よくも悪くも日本に配信などが入ってくる外国作品は字幕などの手間がかかっているためビジネスとしてペイされるような厳選された人気作が多いと思うし、全て日本国内の配信サイトなどでいい状態で観られるわけではありません。
逆に、観ようと思いさえすれば今までの作品のほとんどを観られる日本のBL作品。
それだけに、色々な作品を観られるうえ最近は深夜帯の地上波などでも新作が毎クール出てきているのでそれだけにあらも目立ちますよね。
セリフは日本語だしで怒りを覚えるレベルのつたなすぎる演技の作品も何個かあって途中でやめたりしたものも何作かありました。
前編含めてここまで読んできていただいた方はわかると思うのですが、各国かなりBLにおいて思考やドラマの内容が時代に合わせてアップデートされていて、日本のBLにおいても原作漫画があることがほとんどなのでBLドラマになるような商業誌の漫画などはある程度しっかりした作品が多いためそこまで内容が気になることはなくて。
有名な『30才まで童貞だと魔法使いになれるらしい』は、結ばれたあと家族になるのが描かれた珍しい作品だったし『美しい彼』も最終的には将来を見据えた話になっていた。
売り出したい基本的に実力のある俳優さんが起用されていて、そこそこお金もかかっていて映画化もされているような人気作品は、大きくがっかりしたものはなかったけど、わたしは漫画から入ると漫画作品が好きになっちゃって実写観られなくなるタイプなので『オールドファッション・カップケーキ』、『きのう何食べた?』、『ギヴン』はかなり有名なのに観てないので語れない・・・。漫画はどれも大好きだよ。
余談ですが特に『オールドファッション・カップケーキ』はメンタル激落ちしていて休みの日は何も喋らずに横たわっているしかできなかったわたしに家族が「好きそうだから」と買ってきてくれた思い入れのある作品で死んだ魚のような目で何度も読んだ作品なのでどうしても実写を観ることができなかった。
日本のBLドラマ作品の傾向としては韓国の作品とちょっと似ていて、結ばれるまで描いて最終話という作品が多くしかも1話がだいたい短いのでさらっと終わる作品が多いです。
面白い作品は面白いんだけど、やっつけ感を感じるときもあって作品に対しての真剣度を一番感じられなかったのが日本だったので社会問題への意識的な部分は変革せざるをえない時代だし、漫画もだんだんとそういう作品も増えてくると思うのでそれに伴って実写BLの内容も変わってくるとは思うんだけど、内容だけ変えても作り手の思いって作品から滲みでてくるものだし観てる人は意外と感じ取ってるっていうことを現場はわかってほしい。
そういうことでがっかりすることが多かった。
そこは本当に今後に期待したい。
そうはいっても個人的に面白かったなと思った作品もあったので、何作品か紹介したいと思います。
『チェリまほ』や『美しい彼』に関してはわたしが言うまでもないので割愛(笑)
まずは、『壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている』。
なんか面白い切り口のBLだなぁとおもって観ていて、原作を検索したらミナモトカズキさんというオープンリーゲイの漫画家さんの作品でした。
知らないだけで男性でゲイのBL作家さんもいるとは思うんですけど、圧倒的におそらく女性作家さんが多いしこの原作作家さんは元々少女漫画も描かれていたいた方みたいで、ドラマもピュアな感じで好みだったのですが、原作もちょっと読んでみたのですが切り口が新鮮で面白かったです。
次、『全ラ飯』。
漫画原作じゃないオリジナルストーリーのBLドラマです。
事前情報なく観て最初は変な話だなーと思ったら原作がないオリジナルドラマで珍しいなーと思ってました。
冒頭二話ぐらいまではなんで全ラになる必要が?(笑)と思ってたんだけど、世界各国のごはんが毎回出てきてすごく美味しそうだったのと、『チェリまほ』にも出ていた”ゆうたろう”という芸名の俳優さんの演技がすごくよかったのでお勧めしたい一作です。
最後は好きな作品で締めたいと思います。
『みなと商事コインランドリー』です!
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こちらは上記の通り漫画原作ですが、ドラマはシーズン2まで続いた人気作なので観てる方も多いですよね。
年の差ものですが相手が学生なので健全で、これはもう完全に年下が年上にグイグイいく設定が好きだからっていうわたしの好みどストライクだったからというのに尽きます(笑)
メインカップルの年上のほうの方の演技がよかったし、サブカップルのほうもよかったのでお気に入りです。
ストーリーは王道ですが、街の感じとか風景もよかったし、もっと評価されてもいい実写BLだとわたしは思うけどなぁ・・。
というわけで、書き始めはダメなところばっかり思い出してたけど三作紹介しているうちに「日本のBLも頑張ってるな」と思い始めてきました(笑)
でも、やっぱりジャンルの物語を作るのに他国はBLの解像度の高そうな人が制作に関わってるなと思うのに対し、日本の作品はそう感じないこともあるのでインプットを頑張ればもうちょっと響く作品が作れそうな気もする。
わたしがBLにハマってる間になんとか頑張ってください!
まだまだ商機はあります!
~後編まとめ~
というわけで、韓国・日本編でした。
韓国編の文章が長くなりここまで書いて8,000字ぐらいになっているのにまだ書こうとしている(笑)
韓国と日本の作風はこう振り返ってみると近しい感じがしましたね。
やっぱりそう考えると現在のLGBTQの社会的立場とは切っても切り離せないところはあるのかなとは考えて、最後に書こうかどうしようかすごく迷ったんだけど、自戒もこめて書いておきたいことがあったのでまだ少しお付き合いください。
わたしは文章書くのが好きだし、小説も好きだから二次創作にハマっていれば薄い本を印刷したりしていたんだろうなと思うのですが、残念なことにハマれずに今に至ります。
BLは好きな友達の影響で読み始め、そこからはつかず離れずで長いこと商業BLを小説からコミックから浅く読んだりしていただけでした。
そしてコロナ鬱になったときに動画がうるさく感じられて観られなくなり、BL漫画を一通り人気作は読んだので最近の商業漫画の知識も少しはあります。
なのでそこまで詳しくはないですがある程度商業BLの知識は全くない人よりあると思っていただければと思います。
そして、この1年間実写BLを見続けて「時代は変わったな」と思いました。
昔は、人に言えない趣味の一つでひそやかに内輪で楽しむものだったBLも実写ドラマが作られるようになって裾野がかなり広がった。
さらに動画配信サービスの台頭で簡単に外国の作品を観られるようになって、観るほうもだけど作る方も世界をビジネスチャンスとして見据えるようになった。
そのことで急速に世界の価値観がBLにも流れ込んで内輪で楽しむ時代は終わったんだなと思いました。
そして娯楽作品だから何でもありという時代も終わったと。
それは作る側というよりも見る側の常識や価値観がかなり変わったことに影響もしているのはもちろんで。
昔は知識としては知ってはいたけど自分の周りにいないし、だから空想の世界と思っていてそういう物語を書いたり楽しんだりする時代もあった。
でも、その時代でも男性が男性に恋する物語も実は本人が隠していただけでリアルな世界だったということは紛れもない事実だってことをみんな知ったわけじゃないですか。
そして、その苦しみももちろんBLや現実世界で充分知ってるわけで。
わたしたちがドラマを見てときめいたり、差別にあったりして家族に反対されて悲しくて泣いたり、好きな気持ちを伝えられなかったりしているのをみて胸が痛んだりしてるのが現実にあることだとBL好きなファンもそのことを真剣に考える人が増えた。
そして作品を楽しむ人たちの目も厳しくなった。
だからこそネットに作品を放流する時代で誰でも作品にアクセスできるようになった今「こっちで楽しんでるだけだから当事者のリアルな感情や事情は関係ない」は通用しないと思っていて。
むしろ「BLはファンタジー」や「当事者のことは考慮していない」はものすごい暴力的な言葉だよなって思うし当事者以外は言っちゃいけないんじゃないの?と思っている。
例えば、なんの取柄もない貧乏な女の子がお金持ち学園に入学して選りすぐりのお金持ちから一人選ぶ漫画を読んで「こんな女の子も学園も存在しない。ファンタジーだ」っていうのは、まぁそれはそうって感じだと思うんですよ。
でも、実際はBLドラマの人たちが実際に居たらあんな問題やこんな問題が彼らに降りかかるのがわかる現状で、BLドラマのキャラクターたちが今後そういった問題で幸せになれるかどうかわからない綱渡りの世界でそんなことは言えないなとわたしは思っています。
ジャンルとしてここまで成長したBLドラマも過渡期に来ていると思います。
BLドラマには不眠問題に貢献してもらったので本当に感謝していて(睡眠薬を飲んでBLを見て寝落ちを繰り返していたら睡眠薬がなくてもBLだけで眠気が来るようになった)その恩を返したい気持ちもあって、この記事もわたしなりに真剣に取り組みました。
作り手にもいろいろなしがらみや事情はあるとは思いますが、個人の力は本当に微力で、でもエンタメ作品はそれでも世論を動かせる力をまだまだ持っているので社会を大きく動かすムーヴを引き起こせる作品が近々生まれることを願ってやみません。
そして、ドラマのキャラクターたちもすべて社会的に認められる世界で作品を楽しめる時が早くきますように。
※日本のBLはU-NEXTけっこうお勧め「美しい彼」「みなと商事コインランドリー」も配信中
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